「ポスティング」で効率よく宣伝を
お店の存在は、意外に知られていない?
今回はたとえ話から始めたいと思います。
ここに、さまざまな苦労を乗り越えて、めでたくオープンにこぎつけたカフェがあったとします。協力してくれた人や業者、あるいは友人や親類らから開店花が届き、それなりに華やかな船出となりましたが、1週間たっても2週間たっても、客足は期待したほどにはありません。
立地は悪くありません。何しろ、オープンのときに贈られた花を眺める通行人がそれなりにいたくらいです。近くにライバル店がいるわけでもありませんし、何をやっても必ず潰れる曰くつきの場所、というわけでもありません。
また、店主のこだわりを追及しすぎて、どうにも入りにくい独特の雰囲気という店構えでもありません。すでに開業している先輩からも「親しみやすい」と太鼓判を押されたくらいです。では、考えられる原因は何でしょうか。
もちろん、「これ」と決めつけられるわけではありませんが、最も可能性が高いのは、「知られていない」ということでしょう。お店の存在が知られていなければ、来るはずの人も来ないのは当たり前のことです。
割と派手にオープンしたじゃないか、と思われるかもしれませんが、思った以上に世の中の人々は、「知らない」ものです。しょっちゅう看板を見ているはずなのに、いざどこかの喫茶店に入ろうとして「そこに一軒ある」ということが思い出せない。そんな経験をお持ちの方も珍しくないのではないでしょうか。カフェ・喫茶店経営者の方なら同業者の存在には敏感かもしれませんが、これが焼鳥屋や美容室、書店など、異業種となると途端に記憶から抜け落ちてしまうということはいくらでもありそうです。
ポスティングのすすめ
今回は宣伝のお話です。
来店されるお客さまの数をもっと増やしたい、という場合、大切なのは宣伝活動です。と一言でまとめるのは簡単なのですが、宣伝といってもどのようなやり方をとるか、その手段は多種多様。「これさえやればOK!」という万能の手段はありません。
ただ、ひとつだけ確実にいえるのは、現状を踏まえ、どうなりたいのか、その目標をハッキリさせるだけで、取るべき手段が見えてくるということです。つまり、冒頭の例でいえば、現状は「知られていない」のですから、「知ってもらう」を目的として宣伝の方法を考えればいいわけです。
もちろん、知ってもらうための方法はいくらでもありますが、予算や労力などコストとの兼合いもあります。そこで低予算で、比較的効果の見込める「ポスティング」をご紹介したいと思います。チラシを作成して周辺の郵便受けに投函していく方法です。
ポスティングのメリットは、ご自分でチラシを作ってプリンターで出力すれば、かなり安くすませることができる点です。さすがに1000枚、2000枚となると印刷業者に頼む方が賢明かもしれませんが、最近はインターネット経由で安く受け付けているところもあるので探してみましょう。
いずれも、チラシのデザインは自分で作成しなければなりませんが、パソコンは苦手という方でも、今時は周囲を当たれば、イラストレーターなどのソフトを使える人が一人は見つけることができるはず。あるいは絵や字のうまい人に、手書きでデザインしてもらうという方法もあるでしょう。
ただし、チラシにどんなことを載せるかは、ご自分でよく考えなければなりません。チラシのスペースは限られていますし、受け取った人もスミからスミまで読んで記憶してくれるわけではありません。
「知ってもらう」を目指すには
今回の例の場合、「知ってもらう」が目的ですから、ご自身が「知る」ときに、何を優先しているのかを考えましょう。人は大抵、「あそこの角を曲がったところに喫茶店がある」「あのスーパーのはす向かいに新しくラーメン屋ができた」などと記憶するものですし、そうやって認識している方は、店名がうろ覚えでも来てくれるものです。
ここからわかることは、「何のお店か」、そして「どこにあるのか」をハッキリさせる必要があるということです。逆に、店名をデカデカとアピールしても、カフェ・喫茶店だと伝わらなければ覚えてくれません。細かいメニューや店主の「思い」などをくどくど書くのもあまり意味はなさそうという判断になります。
そしてもちろん、必要な情報だけがあっても、興味を持ってもらえなければ覚えてはくれませんから、チラシを手にした人に「一度行ってみようか」と思わせるモノが必要です。それはズバリ、お店のアピールポイントです。
店内の雰囲気が「売り」なら、それが伝わる店内写真を工夫する必要がありますし、コーヒーのおいしさを伝えたいなら、いかにもおいしそうな写真やイラスト、キャッチフレーズ等を考えましょう。お店の「売り」はひとつだけではないでしょうが、あれもこれも載せるのは、かえってわかりにくくものです。知ってもらうため、来てもらうために、まず「一番に何を訴えたいか」をよく考えましょう。
またチラシに割引クーポンをつけるのも効果的です。「オープン記念」「開店1カ月記念」「読書の秋キャンペーン」などなど、期間限定であることを打ち出すとより「おトク感」が出そうです。
広告宣伝はコツコツと
ポスティングに限らず、広告宣伝は、一度やったからといって急に来店数が増えるとは断言できません。期待よりも数字にあらわれないこともしばしばです。しかし、わざわざ言われなくても知っているような大手企業の定番商品ですら高いお金をかけてCMを流しているのですから、一度や二度、効果が目立たなかったとしても、コツコツ地道な努力を続けましょう。ポスティングに関していえば、同じところに繰返し投函して当たり前、くらいの心持ちでのぞみましょう。
ポスティングの利点は、「安くすむ」というだけではありません。カフェ・喫茶店は、地域密着の業態ですから、お店の周辺の人々に宣伝するというのは、ターゲットとしても妥当なのです。ついでに、自動的にウォーキングやサイクリングで健康アップにつながるというオマケもあります。
そしてさらに、ポスティングにはもうひとつ大きなメリットがあるのですが、それについては回を改めてご紹介したいと思います。
広告宣伝の方法がわからない、チラシの作り方がわからない、といったお悩みをお持ちのカフェ・喫茶店開業者のみなさま、多くの開業をお手伝いしてきた実績のある大阪サントス珈琲に、ぜひお気軽にご相談ください。